ふぉれすと鉱山に通うようになって9年目、今年の宿泊学習「目からウロコキャンプ」で9回目になります。わたしたちの学校「札幌三育小学校」は、現在全校児童40名、札幌市の北の端にある小さな小学校です。毎年夏休み明けに1年生から6年生全児童で利用させて頂いています。
ふぉれすと鉱山との出会いは、10年前、ふぉれすと鉱山のスタッフの方が本校を訪問して下さったことにはじまります。詳しいことは覚えていないのですが、ふぉれすと鉱山のオープン当初で「子ども達のための夢のある空間を創っておられる・・・」という、何かわくわくするお話でした。本校は、マルチエイジという学年の枠を取り払って全学年の子ども達が教え合いや助け合い、自ら学ぶ学校創りの取り組みをスタートしたところでした。「是非、利用させて頂きたい!」と思い、教師で下見を行って翌年から利用させて頂くことになりました。「どうして毎年同じ場所で?」毎年利用させて頂いているのには、訳があります。
その一つは、プログラム作りの過程にあります。宿泊学習のプログラムは、学校とふぉれすと鉱山のスタッフが協同で創ります。教師の「子ども達にどんな体験をさせたいか」の願いをもとに、現地を取り巻く自然環境の中でどのようなことが可能かを相談し、調整をしながら決めていきます。
本校の宿泊学習のテーマは、「目からウロコ」です。一つ一つの活動で子ども達の目からどんなウロコを落とそうか?と練っていくわけです。このような過程をふんで創る活動ですので、教師やスタッフにとっても既成のものでは味わえないものがあります。子ども達がどう反応し、どうかわっていくか・・・といったワクワク感があるのです。
もう一つは、ふぉれすと鉱山の周りにはちょうどいいサイズの自然があるということです。スケールの大きな自然というよりは、子ども達が遊んだり活動したりするのにちょうどよいサイズのいろいろな自然に出会うことができるフィールド(遊び場)があります。実は、以前に「他に、もう少し近くでいい場所はないかな?」と、探してみたこともあるのですが、なかなかこれ以上の場所は見つからず、飽きることなく続けさせて頂いていますが、毎年、何か新しい発見と体験をしています。
さて、本校の宿泊学習の特徴は、1年生から6年生まで全児童が一緒に2泊3日を過ごしていることです。一部屋6名ほどがマルチエイジで一緒に生活をしています。1年生は、初めての宿泊体験ですが、上級生がいろいろ教えてあげながら遊んだり、食事をしたり、片付けたり、お風呂に入ったり・・・と、助け合って生活します。昨年初めてだった2年生も今年は余裕をもって活動している様子も見ることができました。また、上級生は、リーダートレーニングの機会と捉え、消灯後に集まって、教師と一緒に一日の振返りを行いました。
ふぉれすと鉱山という素敵な遊び場を使ってこれからまた、子ども達のどんな「目からウロコ」を落として行けるか、楽しみにしています。
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大河原一義
1957年、東京生まれ。1983年、三育学院カレッジ教育学科卒業。1995年から2年間AIIAS大学院(フィリピン)に留学、教育学科修士課程修了。鹿児島三育小学校、横浜三育小学校、函館三育小学校教諭を経て、現在、札幌三育小学校校長。