モモンガくらぶ

レンズ越しにみるふぉれすと鉱山 鉱山録vol.28より

 冬が近づいてきました。冷たい季節風が吹き始めるこの時期は、寒くて屋外に出かけるのが億劫になってきます。ふぉれすと鉱山主催の『葉っぱの窓から覗いてみよう~森のふゆじたく』という行事を撮らせていただいたのが、ちょうど一年前でした。
 紅葉が終わり、森の小道には乾いた枯葉がたくさん落ちていて、歩くとかさかさと音がします。晩秋の音です。これが意外と気持ちが良いのです。葉の上に卵を産みつけた虫、じっと春を待つミノムシ、熟したヤマブドウ、ふわふわの綿毛をまとう冬芽。小さな木の実の皮をむくと種が一杯詰まっていました。スタッフから「飛んではじけてくっついて・・・命をつなぐ種たち」と説明がありました。植物や動物たちは静かに冬を越す準備をしていました。
 クライマックスは、風で飛んだ落ち葉が集まって、まるでプールのようになっているくぼ地に、子どもたちは歓声を上げながら寝転んだときです。そこへスタッフがたくさんの落ち葉をシャワーのように浴びせたからたまりません。子どもたちは「落ち葉って暖かいナー!」と叫びながら大喜びです。
 こんなふうにいたるところにさまざまな仕掛けがありました。事前にコースを入念に観察し、周到な準備をしたスタッフの方々の心意気が伝わってきました。
 観察会が終わるころには冷たい北風が吹き始めていましたが、なぜかほのぼのとした気分で帰途につきました。きっと森からはぬくもりが、そしてスタッフの方々からは熱い心づかいが伝わってきたからなのだと思いました。

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山田清滋

1952 年室蘭市生まれ。登別市在住。
仕事のかたわら、 登別や室蘭など主に西胆振の四季折々の風景とそこに暮らす人々を撮
影している。作品は YAHOO サイトのブログ『北の素人写真家・Northern Amateur Photographer』 で公開されている。
2009 年1月、 登別市ネイチャーセンターで写真展 『あたたかな森』 を開催。

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